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外国人の面接で注意すべきポイントをご紹介


26 Apr, 2021

外国人求職者を面接する場合、「どのような質問をすればいいのかわからない」とお悩みの採用担当者の方もいると思います。

日本人の面接との大きな違いとして、まず挙げられるのが「言葉が違う」という点です。質問の意図がしっかり伝わるのか、外国人が何を伝えようとしているのか、などの不安を感じているのではないでしょうか。また、文化の違いから、外国人にとって何がタブーとされる質問なのかも気になるところです。

しかし、1人あたりの面接時間は決められているので、必ず質問しておきたいことや確認してくべきことを時間内に収める必要があります。

今回は、これから増加する外国人労働者の雇用に向け、外国人を採用する場合の面接について気をつけるべきことをご紹介します。人材不足で困っている、外国人採用をしていきたい、自社のグローバル化を狙っているなど、外国人採用をお考えの担当者の方は参考にしてください。

外国人と日本人で面接の際に異なる点について

外国人の面接では、日本人の面接とは異なる内容の質問が必要になります。

下記の質問例は、日本人の面接では質問しない内容もありますが、外国人の面接では確認しておきたい事項です。

・「なぜ日本で働こうと思ったのですか?」

数多くある国の中から、なぜ日本を選んだのかを聞いてみましょう。

質問に対し「日本が好きだから」という回答が多いようですが、「日本のどのようなところが好きですか?」のように、一歩踏み込んだ質問をしてみましょう。面接官が投げかけた質問に対し、シンプルに回答するだけではなく、外国人自らが、いかに自分の言葉で積極的に話せるような質問をするかも、面接官の腕の見せどころです。

・「日本の印象はどうですか?」

日本に対する印象を「良い印象」「悪い印象」に分けて尋ねてみましょう。ただし、仮に日本に対する印象や価値観が、日本人と異なっていたとしても「間違いだ」と指摘してはいけません。日本人が持つ文化や価値観は、外国人のそれとは異なっていて当然なのです。

面接において大切なのは、日本に対してどのような印象を持っているかよりも、質問の意図を理解して、的確に応えられているかというスキルを判断することです。

また、ビジネスにおいて、日本人の働き方や労働環境に対しての印象をどのように感じているかも尋ねてみましょう。相手が面接官であっても、日本のビジネスに関する疑問や改善点を述べることができるのであれば、今後のグローバル社会においては、貴重な存在となるかもしれません。

・「なぜこの会社を選んだのですか?」

面接の際に志望動機を尋ねることで、採用に対するミスマッチを事前に防ぐことができます。これは、外国人が希望する職種と従事してほしい職種が異なっていたり、賃金や労働時間などの労働条件にズレが生じたりしていないかを確認するためにも、必要な質問事項です。

また、外国人のキャリア形成においても、今後日本に永住して仕事を続けていくのか、帰国予定の有無やその時期によって、採用する基準は変化します。雇用に関してお互いの希望に相違が発生しないよう、志望動機を尋ねつつ、就業条件について細かく明確に伝えることが重要です。

外国人との面接で気をつけるべきポイント

・アイスブレイクを活用する

アイスブレイクとは、初対面の人同士が緊張をほぐし、話しやすい雰囲気づくりをすることです。日本人であっても仕事の面接は緊張するものであり、外国人はより大きな緊張感を抱いていることでしょう。

そこで、面接の初めにアイスブレイクを用いて、少しでも緊張をほぐしてもらうことで、本来の力を発揮できるように心がけることも面接官の大事な役目です。質問例としては、「会社の場所はすぐにわかりましたか?」「電車は混んでいましたか?」など、外国人を気遣う様子を感じさせるひと言が良いでしょう。

・オンライン面接も取り入れる

外国人の中には、就職が決定してから来日するというケースも考えられます。また、昨今の社会情勢により、遠距離の移動が難しいという状況も発生します。会社で対面面接しか実施しない場合、エントリーする人材の数が減り、良い人材を確保する機会を逃してしまいます。

外国人は、母国の家族や友達と頻繁に連絡をすることが日常であり、オンラインでの対話には慣れています。優秀な人材確保のためにも、募集時の通知事項にオンライン面接に対応していることを記載しておきましょう。

・面接をしながら日本語力や適性も見極める

面接は、外国人の真の日本語力を知ることができる大事な場です。履歴書には日本語能力試験のレベルを記載しますが、N3やN4レベルでも、スムーズな会話ができるケースもあるようです。

日本語能力試験は、あくまでも日本語スキルをはかる指標と捉え、実際のコミュニケーションにおけるスキルで判断しましょう。また、質問に対する外国人の様子から、自社の雰囲気に馴染めるか、適している業務についても同時に見極めましょう。

・わかりやすい日本語を使う

外国人の日本語能力に合わせ、わかりやすい日本語を使いましょう。通常の会話が可能であれば、敢えて簡単な言葉を使用せず、日本人の面接と同じように進めてもよいでしょう。外国人が、質問内容や言葉を難しいと感じるようであれば、簡単な言葉に置き換えたり、ほかの言い回しにしたりしてみましょう。

外国人の面接において、わからない言葉があれば、いつでも質問できるような雰囲気をつくることも、面接官の大事な役割です。

・はっきりしゃべる

日本人にとっては通常のスピードで話しているつもりでも、外国人は日本人を早口だと感じることもあるようです。また、日本人は話し方が優しい反面、声が小さく聞き取りにくいという印象があるとも言われています。

外国人の面接をするときは、相手に伝わるような声の大きさで、いつもよりはっきりと発音することを心がけましょう。

・タブーとなる質問をしない

日本人にとっては何気ないと感じることでも、外国人には差別や偏見に感じる内容があることを認識しておきましょう。特に、国家間における政治や宗教、歴史に関する内容は、外国人の面接においてはタブーとされています。また、国籍や人種、性別に関して、外国人は日本人よりも敏感に捉えています。差別だと捉えられそうな発言は慎みましょう。

・物事を明確にする

外国人は、日本人の曖昧な表現をわかりにくいと感じるようです。例えば、「できればもう少し早めに来てもらえれば」といった曖昧な表現は避け、「8時50分に会社に来てください」などのように明確に伝えましょう。

外国人からの質問に対して、例えば質問の内容が給料や退職に関することなど、日本人なら面接ではあまり口にしないような内容であっても、文化や価値観の違いと捉え、しっかりと答えましょう。

まとめ

面接に来る外国人は、日本に対して何かしらの魅力を感じているからこそ、日本で働くことを望んでいます。会社の面接を受ける際は、不安な気持ちを抱えつつも、これから働くかもしれない会社に大きな希望を抱いていることでしょう。

外国人の面接を通して、「ここで働きたい」と感じてもらうためには、日本人とは異なる質問や配慮が必要になります。質問内容には注意を払いつつ、わかりやすい日本語で明確に受け答えをしましょう。

今後、外国人を面接する機会も増加することが予想されるので、今回の記事を参考にして、外国人雇用を活かしてより良い人材の確保に努めましょう。

(画像はPixabayより)